48: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/07(日) 00:46:57.93 ID:dUa8vtWv0
「………余所者な上についさっきレイゼンにノって巫山戯たばっかりの私がいうのも何だけど、まだあの化け物からろくに距離を取ってすらいないのに大したリラックスぶりね」
( ^ω^)「HAHAHA」
漫画学科で使う教科書に載せてもいいレベルの典型的な「ジト眼」を見せるアリサさん。僕としても些か反論に困るため、乾いた笑いで誤魔化しておく。
( ^ω^)「ま、足でも止めるならともかく避難とに支障が出ないなら多少はね。
……それに、これは多分彼女達なりの思いやりでもあるんだお」
「………あぁ」
アリサさんはちらりと秋山さんの方に視線を向け、合点がいったとでも言いたげに頷く。
秋山さんの表情は相変わらず暗く、5歩10歩という短いスパンで頻繁に後ろを振り向いている。西住さんと松本さんが横で併走しつつ様子を窺っているが、仲のいいこの二人に対してもろくに反応を返していない。
秋山さんは本来、角谷さんから直々に副会長への立候補を依頼される程度には聡い生徒だ。自分が居住区に無理やり行くことの“愚”は、十分に理解していると思う。
ただし、それでも“家族があの災禍の只中にいる”という事実は変わらない。不安に思うな、心配するなと言う方が無理な話だろう。
「他にも居住区に家族がいる奴等もいるでしょうに、それでもオッドボールの事心配してやれるのね」
( ^ω^)「大洗女子学園の戦車道チームは、そういう子たちの集まりだお」
有事の中にあっても、他人を思いやる気持ちを忘れない────口で言うのは感嘆でも、それを自然に出来る人間は極稀だ。そして彼女達は、西住さんを筆頭に全員がそれを出来てしまう。
戦車道は座学部分にしか携わっていないただの現国教師が言うのも烏滸がましいが……本当に、彼女達は素晴らしい「チーム」だ。
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