エンド・オブ・オオアライのようです
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446: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/06/04(月) 23:50:03.92 ID:8RT1ILCz0
《敵航空隊、更に一部が対空砲火を抜ける!直上より急降下!!》

M42からの警告の叫び声。比喩表現ではない、本物の地獄へ誘おうとラッパの音が空から迫る。

腹の底で尚も渦巻く恐怖を飲み下し、機銃の火線をラッパの音が聞こえてくる方に向ける。火線を突き入れられて編隊飛行を乱した10機ほどの黒い機影が、忌々しげに踵を返す様子が視界に映った。

『イギアッ!!?』

「て、敵艦に打撃を確認!」

鈍く掠れた悲鳴と中内二曹の報告の声に視線を戻せば、新たに隊列に加わっていた個体──姿形から推測するに恐らく軽巡へ級──がヒトマルの砲口が睨み据える先で仰け反っていた。私達を標的にしたところで大隈二曹に撃ち抜かれたのか、艤装と一体化している奴の右手が拉げてあらぬ方向に折れ曲がり、バチバチと火花を散らす。

「オッケー、グッジョブベリーナイスよ!」

「お褒めの言葉より給与に特別ボーナスでもつく方がよっぽど嬉しいっスね!一尉、上に掛け合ってくださいよ!」

「善処はしてあげるわ、約束はできないけどね!」

善処どころか、来年度の予算が0になったっておかしくない。………いや、そもそも“来年度があるかどうか”が問題なのだけれどね。

「1号車より【ダスター】、弾薬残量は!?」

《随伴歩兵部隊や周辺拠点からの支援でなんとか節約できている、それに破壊された車両から無理矢理幾らかの弾薬も引っ張り出せた!

当初の見込みよりは幾らか引き延ばせそうだがそもそも敵航空隊の数が増える一方だ、どのみち長く保つわけじゃない!なるべく早くに状況を打破してくれ!》

「1号車よりダスター、了解!

2号車、機銃掃射を対空専任に!また展開部隊の内対戦車兵器を持たない班は1班だけダスターの支援に回って!」

《2号車、了解!対空戦闘に移行します!》

《こちら富永班、指示を受諾!M42護衛部隊に合流する!》

『オ゛ア゛ア゛ッ!?』

味方への指示を出す私の頭上を、砲弾が弧を描いて飛び越していく。背中で立て続けに三つの爆炎が弾け、駆逐イ級がくぐもった悲鳴と共に微かに身体を跳ねさせる。

《大洗町駅よりシーサイドステーション、これより平行して迫撃砲による火力支援を行う!弾着は確認した、効果のほどを報告されたし!》

「此方シーサイドステーション、支援砲撃を感謝するわ!効果としては着弾した駆逐イ級に損害を確認、引き続き支援を求む!オクレ!」

《大洗駅よりシーサイドステーション、了解!砲撃を継続する!》


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