374: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/25(日) 23:02:49.07 ID:4jDDjcF+0
私達艦娘が使う艦載機は、深海棲艦のものと同程度───基本は80cm未満、大型機でも1m20cm程度と非常に小さい。
日本はこの“小型”という利点に着目し、特に陸軍機を集めて本来なら艦載機の搭載が不可能な通常兵器の水上艦にそれらが整備できる簡易施設を備え付けた。要は、海上移動を可能とする小規模な基地航空隊を設立したようなもの。
たった今【あきつしま】から発艦した、三式戦の編隊もそれにあたる。
《【あきつしま】よりCP、当艦艦載機隊は敵航空隊と交戦開始。戦況は互角も敵に後続戦力の気配アリ》
《CPより【あきつしま】、大洗鎮守府と第9警備府の基地航空隊が出撃準備を終えている。一五四一に現着予定》
《【あきつしま】よりCP、了解した。引き続き迎撃する》
無論、運用できる絶対数は決して多くはない。ただしその分、この【移動航空基地】部隊は基本的に鍛え抜かれた精鋭妖精達を優先的に配備させる事が多い。特に海上保安庁巡視船は、元の装備が貧弱故に自衛隊側の配慮によってかなり強力な部隊を配備する傾向がある。
そして、【あきつしま】に搭載されている部隊もその例に漏れることはなかった。
『『────!?!?!?』』
白を基調とし、翼の付け根部分に黄色いラインを入れた単発機が【オニビ】の編隊を正面から迎え撃つ。ハ40エンジンを唸らせ敵機の背後を次々と取り、銃火を容赦なく浴びせ叩き落としていく。
“飛燕”の名に恥じぬ、美しさすら感じさせる軌道に、今度は【オニビ】達が狩られる側に追いやられる。ツバメの如く空を舞うその姿を捕捉できず、交戦開始から僅か十秒足らずで多数の損失を出した敵編隊は陣形を保てず、総崩れ状態に陥った。
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