354: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/03/15(木) 23:18:26.20 ID:3Lds9F6v0
《各母艦、サラトガの言うとおり散開運動指示を指揮下艦載機に!》
《あ、あの……散開予定高度よりまだ遙かに手前ですけど………》
《敵の砲火量が予想を遙かに超えてる、このまま密集突入すれば接敵前に全滅しちゃうよ!
任務遂行のために散開を繰り上げる、指示の変更は無し!》
《那珂ちゃん、りょうかーい!!》
「七警加賀、了解しました」
この作戦で事実上の旗艦である葛城からの指示に従って、妖精さんたちに思念を通じて散開運動を命じる。
機体性能の高さに加えて、この娘達は皆優秀な戦闘機乗りだ。六機の彩雲は地上から殺到する何百条という火線の合間を巧みに擦り抜け、速度を殆ど落とすこと無く降下していく。
《加賀さん、ご一緒させていただきます!》
「ええ、どうぞ」
彩雲隊の直ぐ後ろには、由良の艦載機である零式水偵11乙型が続いた。
数合わせの緊急動員とはいえ、流石にフロート付きながら偵察部隊に選抜されるだけのことはある。此方も巧みな操縦で弾雨をくぐり抜け、私の編隊にやや遅れながらもしっかりとついてきている。
《CPより旗艦葛城、被害状況を報告せよ》
《葛城よりCP、敵対空砲火により投入63機中6機を喪失!なお、敵火力は予想より遙かに強大!》
《CPより葛城、損失6なら作戦続行に支障無しと認む。威力偵察を続行せよ、オーバー》
《葛城よりCP、了解!ま、防空砲台やらされるよりはマシってね!!》
「……使命感に燃えているところに水を差すようで悪いけど、指揮に集中した方が良いわよ」
事務的な自衛官の指示にも、どこか華やいだ声で返答する葛城を窘める。彼女の“生前”を考えれば正規空母としての役割を果たせることがいかに嬉しいかは想像に難くないが、敵はそんな事情に忖度してくれるほど甘くない。
「下方より今度は敵機、数は15〜20。各母艦、警戒を厳とせよ」
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