エンド・オブ・オオアライのようです
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353: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/14(水) 23:08:31.81 ID:QLq1vrF90
号令一過。

CP───前線指揮所からの指示が届くと同時に、学園艦の上空で旋回を繰り返していた麾下の【彩雲】達に降下突入の指示を出す。六機分の【誉】が唸りを上げ、共有する視界の中で風景が流れていく速度が跳ね上がる。

私の【彩雲】達だけではない。周りでは、60を越える機影が身を翻し、雲を切り裂き、エンジンの回転を最大にして眼下の巨艦めがけて駆けていく。

翔鶴の零戦、千代田の96式、葛城の烈風、そして在日米軍から派遣されたサラトガが指揮するF6F【ヘルキャット】。雷撃機も爆装機も姿は無く、機種も機数もバラバラで一部に至っては国籍すら一致しない。更には、本来こういった編隊行動での作戦には参加しない由良や羽黒、那珂ちゃんの“下駄履き”まで投入しての作戦発動。

いかにも急場凌ぎでかき集めた事が解る、歪な戦力編成。それは、今私達が置かれている苦境を何よりも雄弁に物語る。

まぁ、その事が作戦失敗の言い訳はならない。そもそも、失敗させる気も毛頭無いけれど。

《目標まで距離3800───っ、甲板上より敵の応射!砲火多数を視認!!》

千代田の叫び声。先頭を飛んでいた彼女麾下の96式が何機か立て続けに火を噴き、くるくると回転しながら墜落していく。息継ぐ間もなく今度は私の(正確には妖精さんの)眼前で爆炎が弾け、右翼をもぎ取られた烈風が隊列から外れて錐揉み状態に陥った。

《此方葛城、二番機が高角砲弾の直撃を受けた!》

《千代田隊は六番機、七番機を損失!九番機も舵が利かないみたい!》

《All unit, Break!! Break!!》

《サラちゃん英語で話すのやめてーー!!那珂ちゃん達日本語しか喋れないよー!!》

「これぐらいは仮に解らなくても雰囲気で察しなさいな」

人一倍騒ぎ立てる那珂ちゃんを窘めつつ、その焦りが仕方の無いことだとも思う。

反撃を予想していなかったわけじゃない。軽空母ヌ級が展開しているという情報から、寧ろかなり激しい抵抗になるとは全員が覚悟していた。

ただ、それはあくまでも艦載機によるもの。私達の中でこれほど濃密な対空砲火が来ることを事前に予測できていた者は、サラトガも含めて一人も居なかったに違いない。


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