339: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/07(水) 09:13:39.84 ID:dsmdGUciO
必死に、脳をフル回転させて宝木は反論の言葉を探す。このままでは、どう転ぼうとも破滅する道を歩かされると直感で理解していた。
(;^Д^)「……し、しかし……しかし同志劉志那………」
( `ハ´)《我知道了。貴様に許されている返事はこれだけアル、同志タカラギ》
相手は怒鳴り声を上げたわけではない。特別強烈な脅し文句を盛り込んだわけでもない。
だが、その平坦で事務的な口調が、かえって宝木に逃げ道が用意されていないことを実感させる。
( `ハ´)《既に同志金と我が国が潜ませた義士達は貴様の“義挙”に応じるべく準備を終えているアル。貴様はただ、流れに身を任せるだけでいい。
せいぜい我々を失望させてくれるなよ、同志タカラギ。【艦娘自己自衛権】の時のようにな》
( Д )「…………解り、まし………た」
( `ハ´)《良い返事を聞けて安心したアル。
あぁそうだ………貴殿の武運長久を祈る》
( Д )「…………」
取って付けたような労いの言葉を最後に、単調な電子音だけを吐き出すようになった受話器を元の位置に戻す。虚ろな眼はどこも見てはおらず、血の気が失せて真っ白な両手はアルコール中毒者のようにブルブルと震えている。
(; Д )「……どうして、俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだ………っ!!」
高価な調度品が並んだ自室に響く、絞り出すような呟き。
その問いに答えてくれる者は、誰もいなかった。
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