333: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/03/05(月) 00:42:54.77 ID:Ave6MMQi0
ふと、周囲から刺さる視線に気づく。主に船舶科生徒から送られてくるそれは、目の前の少女と僕に集中した。
ほぼ全員が、少女に対しては尊敬と畏怖の念を────序でにそのすぐ近くにいる僕に対しては、あからさまな敵意を込めている。保安官達も、どこかこの海賊少女に対して遠慮というか気を遣っているような様子が感じられる。
僕はそれらを以て明確に理解した。この少女こそ、ムラカミさんたちの精神的支柱なのだと。
「“上”の情報、感謝するよ先生。
それにしても、いよいよこの学園艦は地獄のようになってきたね。まっ、本物の地獄なんて見たこと無いけれどさ」
(メメ;^ω^)「………」
それともう一つ、この短い会話の中で彼女の言動から解ったことがある。
この子、歴女チームやダージリンさんと同じ人種だ。
「より詳しい話は奥でするよ、もう少し掘り下げたい情報もあるしね。それに、ここで共に過ごすからにはアンタにも根賀さんや日屋根さんみたく色々働いて貰わなきゃならない。
あぁ、アンタ、名前はなんだい?」
(メメ^ω^)「……内藤。内藤芳頼、普通科の国語担当教師ですお」
「そう、じゃあ、ブーン先生」
(メメ^ω^)「いやそのりくつはおかしい」
僕の抗議に耳を貸すこと無く、彼女はポケットからパイプを取り出して口に咥えて右手を差し出す。
パイプからは、妙に甘い匂いが漂っていた。
「アタシは【竜巻のお銀】。よろしく、先生。
大洗のヨハネスブルグへ─────そのまた“どん底”へようこそ」
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