330: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/03/04(日) 23:03:12.32 ID:KbjPGJCl0
(メメ^ω^)「………僕も、全容が把握できてるわけではないけど」
険しい顔つきになったムラカミさんの問いにそう前置きして、僕は見てきた光景を───気を失う直前までの記憶を辿りながら語っていく。
幾ら逞しく見えても一介の生徒、頭上の絶望的な状況を伝えるのは多少の抵抗があった。だが、どうやら彼女達に対してその憂慮は不要だったらしい。
ラムさんもムラカミさんも、益々苦い表情になりながらも表立って動揺する素振りは見せない。僕の説明を冷静に、取り乱さず聞いている。
「そんな…………」
「学園が…………畜生!!」
「何やってんだよ日ノ出テレビ………」
寧ろ、僕らの周囲で話に聞き耳を立てていた保安官達の方が意外なことに反応は顕著だ。毒づく人、項垂れる人、顔を覆って座り込んでしまう人、八つ当たり気味に壁を殴りつける人……誰もが思い思いの方法や言葉で絶望に打ちひしがれる様を、僕は意外の感を持って眺めた。
(メメ^ω^)(正直、僕以上に甲板上の現状を把握している人の方が多いと思うけど……)
まぁ、学区内には駐在所が配置されていないため常駐している保安官がいない。そのため、学園の敷地内にも軽空母ヌ級が現れて空襲が行われたという事実まではまだ広まっていなかった可能性はある。
商業区と居住区は言わずもがな、下層もあんな化け物が彷徨く有様。無事なところ、安全なところが学園艦内には全くないと知れば、保安官達の落胆も頷ける話だ。
まぁそうなると今度は、尚のことムラカミさんとラムさんの冷静さに舌を巻きざるを得ないわけだが。
628Res/562.90 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20