301: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/02/19(月) 13:00:07.07 ID:ukQp6ETJO
迷走する思考の果てにそんな身も蓋もない感想を浮かべた僕を尻目に、女生徒は直ぐ隣を走っていた別の人影に問いかける。根賀、と呼ばれたその人物は、一瞬だけ視線を後方にやると大きな眼を僅かに眇めいかにもうんざりした風で舌を出してみせる。
熊手のように大きな右手に握られているのは、拳銃───SIG SAUER P226。
(;●▲●)「数は20〜30ってところか、息切れ一つしてる様子がねえぞ……クソが!」
野暮ったい作業服にややデップリした体格からは想像も付かない機敏さで、その男性はくるりと反転。背後の薄暗がり………何十もの足音が重なって聞こえる方向に向き直りながら、膝を床に着けてSIGを両手で構える。
(メメ;゚ω゚)そ「ぉおっ!?」
立て続けに三度、9mm口径から吹き出した銃火が微かに辺りを照らす。僕の上げた素っ頓狂な声と共に銃声が通路を反響し、間髪を入れず“何か”が倒れる音がそこに重なった。
此方に向かってくる“何か”の集団は、その内の一体が転倒したことによって多少鈍ったようで足音が微かに乱れた。だが、その混乱は長くは続かずすぐに僕らの追走を再開する。
(#●▲●)「リロードする!日屋根、援護を!!」
( ・∀・)「はいはいさー」
すかさず、もう一つ女生徒の隣を走る人影が踵を返す。取られるのは、根賀さんと呼ばれる男性と同じ膝射姿勢。
ただし、構えられた銃のシルエットは、SIGに比べて明らかに大きく、長い。
( ・∀・)「全く、とんだ出張もあったもんだねぇ」
僕の記憶が正しければ、アレは海上保安庁でも正式採用されているショットガン────モスバーグM500だ。
( ・∀・)「フゥウウウオオオオオオオオオオオウッ!!!!」
奇声と共に、もう一人の男性が引き金を引く。
僕を叩き起こしたあの音が、暗い廊下に木霊した。
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