291: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/02/16(金) 22:01:38.92 ID:jlHLK4dm0
「ダージリン……貴女の、貴女たちの努力は認める。それにもしこの呼び出しの目的が協力要請なら、BC自由学園としても応えることは吝かじゃない。
でも、私の見立てでは報われる可能性は極めて低いザマス」
万年弱小とはいえ、1学園艦の戦車道チーム隊長を務めていた身。アスパラガスも状況判断能力や分析能力は人並み以上に備わっている。
そして彼女が見る限りでは、現在の状況は疾うの昔に自分たちが対応し得るものではなくなった。
「私達は所詮、一介の学生。戦車道を通じて多少戦略や戦術、謀略を囓っているとしても、そんなものは本物の“戦争”からすれば子供のお飯事に過ぎない。
私達が踏み入っても、力になれないどころか足手まといになる可能性の方が遙かに高いザマス」
「解っているわ、そんなことは!!!」
カウンターテーブルに、勢いよく叩きつけられる拳。よほど力を込めているのかワナワナと震え、関節が白く浮き出ている。
これほど取り乱したダージリンを見るのはきっと私が日本初だろうな……そんな、場違いな感想がアスパラガスの脳裏に浮かんだ。
「特殊カーボンで守られた安全な玩具の中で戦争ごっこをしているだけの女が、本物の“有事”でできることなんてたかが知れている!本当は自衛隊や艦娘や政府に全てを託して、彼らが任務をこなし西住さんたちを無事助け出してくれるの願って安全な地域で待つのが分相応だって解っているのよ!!
それでも、私たちはただ“待つ”ことに耐えられない!………っ」
再び微かに震える語尾。漏れかけた嗚咽を無理やり呑み込んで、ダージリンは潤んだ───だけど、奥に強い決意の光を讃えた瞳でアスパラガスを正面から見つめ返す。
「私達だけで助けようなんて烏滸がましいことは考えないわ。でも、例え少しでも大洗救援の助けになる“何か”があるなら………私は、諦めずにそれを探したいの………!」
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