エンド・オブ・オオアライのようです
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281: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/02/12(月) 00:40:17.49 ID:OCWv7WkR0
クスクスクス。アスパラガスの刺すような視線を受けて、ダージリンは心底おかしそうに肩を震わせる。

「“やらかす”って………それじゃあまるで私が何か悪巧みをしているような言い草ね」

「日頃の行いの報いザマス。オオカミ少年が何故全ての羊を食われる羽目になったかよく考えた方がいい」

「あら、それじゃあ私は最期に怒り狂った村人たちに打ち殺されてしまうのかしら?」

そういってまた笑いながらも、ダージリンの眼の奥に宿る光は真剣そのものだ。

この店にアスパラガスが入ったときから、そこだけはずっと変わらない。

「別に、悪巧みなんてしちゃいないわ。私はただ、一人の友人として、戦車乗りとして、大洗のあの子たちを助けたいだけなの。

あぁ、勿論ハリウッド大作の真似事をしようってワケじゃないわ。“これは映画ではない”のだから」

映画【キングスマン】の台詞と共に片手で制され、アスパラガスは一瞬上げかけた腰を椅子に戻す。

権謀術数に長け常日頃から掴み所のない言動を繰り返す一方で、ダージリンが根っこの部分では非常に熱くなりやすい人間であることもアスパラガスは付き合いの中で知っている。大洗女子学園の廃校の危機の際には各学園の連合を率先して主導したし、例のサムライガールの熱に当てられてタンカスロンにも介入している。

彼女が仮に“義勇軍を編成して自衛隊より先に大洗女子学園を救いに行く”等と言い出してもアスパラガスは驚かなかっただろうし、寧ろ初めからそう言い出すことを前提にどう止めるべきかを考えていた。

「そこまで血迷ってなくて何よりザマス」

「もしも私にそれだけの力があったなら、迷わずそうしていたのは事実だけれどね。

でも、流石に身の程は弁えているわ。情報を集めていたのは、あくまでもみほさんたちの為に“私が力になれること”を少しでも見いだせないかと思ったから」

「本当に、凄い入れ込みようザマスね」

尤も、気持ち自体はアスパラガスも理解する。

黒森峰という絶対強者の存在や硬直化した競技形式によって緩やかな死を迎えつつあった戦車道に、突然新風を吹き込んで数々の奇跡を巻き起こした“軍神”西住みほ。直接砲を交えることができなかったアスパラガスでも強く感化された程だ、実際に彼女の“奇跡”を目の当たりにした者達がどれほどの衝撃は想像に難くない。


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