276: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/02/11(日) 00:01:38.64 ID:eEG3zdFy0
江戸時代末期からの近代化に伴い国が西洋の事物・文化・技術を取り入れていく過程で、その媒体となった数多の【学園艦】もまた強い影響を受けていった。カナダとの交流を盛んに行っている苫小牧メイプル学園、トルコとの親交が深いケバブハイスクール、ソヴィエト・ロシアの国風をそのまま校風に反映させたプラウダ高校、不要なところまでフランスに似てしまったマジノ女学院にBC自由学園───確かにそれぞれの学園艦が、繋がりが強い国家の“縮図”やステレオタイプ・サンプルのようになっている節はある。
(だからといってこうも本家英国に似なくてもよかろうに………っ!)
やたらと勿体ぶった言い回しを好む風潮に、所構わず開かれるお茶会、タンカスロン関連では“本家”の悪名高い三枚舌外交を彷彿とさせる謀略の数々も幾度か目の当たりにした。
アスパラガスが知る限り、これほど「聖グロリアーナの戦車隊長」として相応しい存在は見たことが無い(無論褒めていない)。序でにいえば徹頭徹尾、彼女が苦手なタイプの人間でもある。
「顔色が悪いわよ、最近眠れているかしら?
今の貴女にぴったりな格言はこれね、『休息とは回復であり、何もしないことではない』」
「ダニエル=W=ジョセリンザマスね。とりあえず私が言いたいのは“お前が言うな”の一言ザマス…………ハァ」
盛大にため息を吐いて、火照った脳を落ち着ける。
ダージリンとの会話は主導権が全くといっていいほど握れないので激しく疲労するが、少なくとも継続高校の戦車隊長よりは幾らか会話になっている分マシだ。それに此方もいい加減慣れてきた面はある。
何より、これほどの事態の中でただ雑談のために他人を呼び出すほどこの女は脳天気でも愚かでもないはずだ。
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