228: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/02/03(土) 00:00:23.67 ID:tQ9g1u1X0
音速に近い速度で飛行していた機体が、突然の衝撃によってバラバラになる。当然破片は、物理法則に従って凄まじい速度と勢いで周囲に飛び散った。
《………What??No───》
《Damn………I'm?hit!!》
粉砕されたHammer-12の尾翼が、後方を飛んでいた機体のコックピットに突き刺さる。隣の機体は千切れたエンジンが右翼に直撃し、バランスを崩すとそのまま海面に叩きつけられる。
《攻撃中断、離脱しろ!Griffinの二の舞になるぞ!》
《クソッ、何が────うわっ!?》
隊長機の判断は早く、HammerもViperも攻撃経路から外れて離脱を謀る。だがその後ろから追いすがってきた“何か”が、最後尾のF/A-18Fを捕らえ、巻き取った。
《Ahhhhhhh!!!?》
《Fuck───》
《No no no……uh》
真っ二つにへし折られたF/A-18Fの残骸を投げつけられ、回避しきれなかったSu-30が巻き込まれて1機爆散する。これを逃れようとした別のスホーイは、急な旋回軌道をとった結果棲姫の船体殻に激突して爆炎の花を空に咲かせる。
分散して各方面に脱出を計った残りの機もまた、学園艦棲姫の対空砲火に捕まって次々と撃墜されていく。
ただそれは、甲板上の怪物が背中から放った機銃掃射ではない。船体側面から“伸びた”それらに、彼らは為す術が無かった。
《…………Viper and Hammer, All Lost. I repeat─────》
やがてロミス達の耳に届く、空中管制機からの冷酷な報告。
そんな彼らの心情を嘲笑うかのように。
『─────キァアアアアアアアッ!!!』
船体側面から伸びた────白い胴を伸ばし鎌首をもたげた“連装高角砲”が、ガラスを引っ掻いたような甲高い鳴き声を上げた。
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