209: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/30(火) 23:01:34.64 ID:LBS9mjJd0
軍事学者のフレデリック=フラーが提唱した【戦いの原則】の1つに、“物量の原則”がある。軍事行動の際には戦闘力を決定的な地点と時点に集中させるべきとする、所謂【戦力の集中運用】の重要性を説いたものだ。
太平洋上に集結した連合空軍の規模は、この原則を十二分に満たしたといえる。
9カ国、764機。在日・在韓米軍のF/A-18Fスーパーホーネットを主力として、これに航空自衛隊のF-15J並びにF-2支援戦闘機、更に本来退役間近のF-4EJ改と防空指揮艦【いせ】より飛び立ったF-14J 16機が加わる。日本政府の要請に応え、中華民国空軍────台湾空軍からもF-KC-1、F-16が合流している。
そしてASEANは、マレーシア、フィリピン、カンボジア、インドネシア、タイ、ベトナムがそれぞれ保有する戦闘機の7割を出撃させた。特にマレーシア空軍は、虎の子のF/A-18D全機を投入という大盤振る舞いだ。
この時点で、数的な面だけでいっても一年前に行われた【第二次マレー沖海戦】の実に1.5倍に相当する。これにグアム島から離陸したB-2爆撃機と護衛のF-22及びF-35を加えれば、最終的な機体数は900に迫る。
最早現実味に欠けるほどのこの大編隊が、1隻の深海棲艦を迎撃するために差し向けられた。全く事情を知らない人間が見れば、例え相手が【棲姫】だとしても首を傾げるに違いない。
深海棲艦はあくまで近代兵器が相手取るには“相性が悪い”というだけであり、よくあるファンタジーもののようにダメージを与えられないというわけではない。仮に深海棲艦が連合艦隊規模だったとしても、これほどの航空兵力からの攻撃となれば最初の一撃で塵芥すら残らず全滅する。
ましてや相手は、【棲姫】とはいえたった1隻。常識的に考えれば、連合空軍に負ける要素はない。
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