198: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/28(日) 23:07:41.88 ID:JMvyrWZc0
日米と東南アジア諸国連合────所謂【ASEAN】が、深海棲艦との戦争が始まる以前より中華人民共和国という仮想敵国を共有していたことはある種の幸運といえるかも知れない。
対中協調外交の下で行われた日本とアメリカによる大規模な“投資”を受け、ASEAN加盟各国は空軍・海軍を中心に戦力の増強と最新鋭兵器の導入を促進した。タイ王国の航空母艦【チャクリ・ナルエベト】の竣工──空母ヌ級に早々に沈められたが──や、マレーシア空軍のF/A-18D保有数増大などがその成果の表れだ。
もしもこの時の急速な軍備増強がなければ、開戦当初行われた深海棲艦による苛烈極まる攻勢をこれらの国々が耐え抜くのは不可能だったに違いない。また【艦娘】の実装に伴い行われた大規模反攻作戦において、ASEAN各国と日本が見せた強固かつ迅速な連携も「対中協調外交」が下地にあったからという面は確かに存在する。
ただ背景はどうあれ、東南アジアは日米の、特に日本の経済支援によって陥落を免れた。そして、艦娘実装後は日本の軍事支援によって制海権の奪回に成功した。
大打撃を受けた深海棲艦がアジア方面での活動を沈静化させて以降も、両者は相互防共協定を正式に締結するなど関係を強めていった。今やASEANは、アメリカやドイツ、ロシアと並ぶ日本の重要な同盟勢力の一つとなっている。
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