164: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/22(月) 02:19:40.53 ID:0WyQqsPm0
「Roger!!」
その声にすぐ反応できたのは、或いはアリサちゃんも生きることをまだ諦めていなかったのかも知れない。引き続き中等部の子を抱えながら“化け物”と追いかけっこをしていた彼女は、腰元から指示されたそれを───恐らくスパイ活動用の道具として用意していた発煙筒を抜き放ち点火する。
「私の方にも何本か寄越して下さい!とにかくありったけの本数に火をつけて!」
「OK!! ニシズミ、そっちに投げるわよ!!」
まるで手品のように、そこかしこから次々と取り出される発煙筒。どこにどうやってそれだけしまっていたのやら、西住ちゃんに投げ渡された分も含めて優に30本を越えるそれらが、点火されて色取り取りの煙を吐き出し樹木園をたちまち覆い尽くす。
『……ギ?』
『ア゛ア゛……』
そして………視界を奪われ獲物を見失った化け物達の動きが、止まった。
「はっ、諜報活動用に煙幕としても使える特注品よ!!ざまぁないわねファッキンモンスター!」
「煙幕は長く持ちません!保安官の人達も含めて、皆全速力で東へ向かってください!煙を吸い込まないよう姿勢は低くすることを忘れずに!」
煙る樹木園で、中指を突きたてた姿勢を取っていることが目に浮かぶようなアリサちゃんの台詞が響き渡る。そして、その後すぐに西住ちゃんの─────常に私達を導いてきた、“軍神”の声が続く。
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