135: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/18(木) 23:12:57.26 ID:pWIW7eUO0
「あの、ごめんなさい!!」
「わわっ!?」
「きゅうっ!?」
西住ちゃんが発した謝罪は、彼女が手を離したことで仰向けに倒れた私に対するものだろうか。地面に投げ出された宇津木ちゃんに対するものだろうか。
「────What!?』
或いは、眼前の外人に対するものだったのだろうか。
とにかく、彼女はその言葉と同時に、木の幹に置いた片足を起点に跳躍した。
「ガッ………!?』
空中で身を捩り、足を振り上げ、全体重を乗せて叩き込まれる踵落とし。幾ら華の女子校生の体重とはいえ、跳躍による勢いもある。
当たり所次第では簡単に人を殺せただろう威力だけど、それを肩口に落としたのは西住ちゃんの優しさだろう。
「Fuck!! Kill you!!』
だけど、その好意を目の前の外人は──“暴徒”の一人は理解しなかった。鉄パイプは手放してしまったけれど、今度は巨大な拳を西住ちゃんめがけて突き出す。
「っ」
「ゴァッ………!?』
早業。彼女のソレはまさに、この言葉がぴったりと当てはまる動きだった。
肘打ちで拳の軌道を反らし、ボディに掌底を打ち込んで身体を折らせ、返しの裏拳で顎を打ち脳を揺らす。私は別に格闘技に詳しくないし実技の喧嘩はからっきしだけど、それでも西住ちゃんの動きが格段に洗練されているものであることは解る。
「グゥッ………』
外人は最後の顎打ちで一瞬動きを止めた後、ぐるんと眼球を回転させて動きを止め前のめりに倒れ込んだ。死んでいる感じはしないけど起き上がる様子もない。
西住ちゃんの最後の一撃から予測するに、軽い脳しんとうによって意識を失ったのだろう。
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