エンド・オブ・オオアライのようです
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122: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2018/01/17(水) 23:22:18.46 ID:R09KI/sf0
(別に、自分が立派な人間だと思ったこともないけどね)

西住ちゃんを無理やり戦車道に引きずり込んだり、彼女を強引な勧誘から救うため生徒会室まで一緒に乗り込んできた武部ちゃんと五十鈴ちゃんを脅したり、どんな批難をされてもおかしくないことには何度も手を染めてきた。二度目の廃校の危機に際しては、正直法的にグレーゾーンで止まっているのかすら怪しい搦め手も幾つか使った。

どれも褒められた行為じゃないけれど、この学園艦を、そしてその上の人達を守るために必要なことだと信じてやったことだ。その想いは今でも変わってないし、後悔もしていない。

だというのに、そうまでして守ろうとしたものがこれだけ無惨に蹂躙されても、そうまでして守ろうとした人達が目の前で殺し合いをやっていても、私の眼からは涙一滴零れやしない。怒りのあまり歯が砕けるぐらい食いしばられてもいい口は、締まりのない苦笑いを浮かべたままだ。

(…………私自身だって助かったとまだ決まったわけでもないのに、暢気なもんだ)

だいたい私達や先に避難した学園内の人間が全員助かったとしても、それは艦内に居た人間の1/3にもなりはしない。残りの二万を越える人達は取り残されることになる。そしてその人達を見捨てて、私はこの艦から逃げようとしている。

「角谷先輩?」

「ははっ、うん、なんでもないよ西住ちゃん」

それこそ“今やるべき事ではない”と頭では解っていても、一度ハマった「ドツボ」からはなかなか抜け出せない。

気遣ってくれる西住ちゃんに生返事しながら、私は底なし沼に足を踏み入れたかのように物思いに沈んでいく。


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