エンド・オブ・オオアライのようです
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100: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2018/01/13(土) 23:01:17.91 ID:Q+RJLMSmO





私が小学生の頃、「戦争」が始まった。深海棲艦と名付けられた世にもおぞましい怪物達によって世界中の国々が侵略され、多くの犠牲者が出た………らしい。

何故不確定的な語尾になるのかと言えば、私は実際にその光景を眼にしたわけではないからだ。テレビでは連日深刻な表情をしたアナウンサーが苦境に立たされる人類の有様を報じていたけれど、6年目も後半に差し掛かったとはいえまだ小学生だった私から見れば「テレビ画面の向こう側」は全く関係の無い隔絶された世界。幾ら数字や現状を並べ立てられたところで、実感も興味も持てやしなかった。

ゴジラやガメラ、或いは貞子やペニーワイズと同列の“テレビの中の出来事”───当時の私にとって、【深海棲艦】とはせいぜいその程度の認識。

他に覚えている印象を無理やり付け加えるなら、“お小遣い減額の元凶”だろうか。

深海棲艦の襲撃によりシーレーンが壊滅し、輸入大国である日本の物価は当時軒並み跳ね上がった。多くの一般家庭同様貧しくもないが決して裕福でもなかった私の両親は節制に迫られ、真っ先に削減対象となったのが私の小遣いというわけだ。

毎月の第一日曜日に手渡される一枚の1000円札が一枚の五百円硬貨に変わったときの絶望と悲哀は、今でも夢に見るほど克明に覚えている。


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