80: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/31(日) 10:12:02.10 ID:S+a4hU780
そして、曲が流れだす。
あいくるしい彼女に似合う、柔らかくかわいらしいメロディ。
その曲調にぴったりのかわいらしく、だけどしっかりとした意志の強さも感じられる歌声で歌いあげていく。
大きな動きではないけれど、軽やかに舞うように踊っている。
観客は息をのむのも忘れて、ステージを見つめていた。
びくびくして、すぐにばてて、むりですとばかり言っていた女の子はいま。ひとりのアイドルとしてステージに立っていた。
二週間前よりも格段にパフォーマンスの質があがっている。
きっとプロデューサーさんのアドバイスの賜物なんだと思う。
なぜかちくりと膝が痛くなった。
そして、曲はいよいよサビ前。
練習のとき、ついに見ることができなかった、二回のターン。
だけど心配はしていなかった。
だって、乃々ちゃんは私のことなんてもう嫌いになったはずで。
そんな私が考えたあの振り付けをするわけなんてなかったから。
そのためにあんなことを言ったんだから。
だからなにも心配する必要なんてない。
そう思っていたそのとき、
乃々ちゃんは右足を軸に左足を蹴って、くるりとターンをした。
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