77: ◆GO.FUkF2N6[saga]
2017/12/31(日) 10:03:44.51 ID:S+a4hU780
森久保乃々の名前は紙の一番下。
彼女の出番はソロ曲のトリになっていた。
「なん……で」
いまさらなんでこんな変更がされているのかわからなかった。
よりにもよって新人アイドルを最後に持ってくるなんて。
しかもこんなに大きなドームで、たくさんのファンの前で。
無理だ。トリの重圧に乃々ちゃんが耐えられるわけない。
ライブがはじまるまでなら、まだ変更できるはず。
プロデューサーさんに早く抗議しに行かないと。
「なんて言いにいくつもりですか?」
どこかから声が聞こえた。
「あなた、あの子にどれだけひどいこと言ったのかわかってるの? この期に及んでそんなことを言いにいけるなんて思っているの?」
ここには私以外に誰もいない。
「あなたに、あの子に関わる資格なんてありませんよ」
私をかたどったなにかが、心のなかで哀れな私を嗤っていた。
「あなたはあの子やプロデューサーさんたちを傷つけてきた、最低な人間なんですよ。それに……」
そのなにかは嗤いながら、泣いていた。
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