55: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:15:54.59 ID:dJeYp2NG0
夕方。
俺達はとある場所に来ていた。
56: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:18:44.83 ID:dJeYp2NG0
会場内は満員だ。
開始10分前という事でファンの期待は頂点まで高まっている。
57: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:21:17.96 ID:dJeYp2NG0
「……」
ほたるは、人が多いせいか少し不安そうにしている。
予定の刻限になった。
58: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:24:49.02 ID:dJeYp2NG0
会場内に響く音楽。
趣向を凝らせたステージ演出。
胸を打つ歌声。
59: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:28:17.10 ID:dJeYp2NG0
夢の時間もそろそろ終わりの時間が近づいてきた。
それは、恐らく気のせいだったのだろう。
60: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:30:01.50 ID:dJeYp2NG0
「お、おい!今奏ちゃんが俺の方見て笑ったぞ!マジで!」
「バッカ、たまたまそんな風に見えただけだろ」
興奮気味に話す男を、冷静に諭すもう一人。
61: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:33:07.71 ID:dJeYp2NG0
LIVEが終わり、俺たちは帰路に就いていた。
ほたるはLIVEが終わってからも顔を紅潮させたまま、どこか心ここにあらず、といった様子だ。
62: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:37:22.53 ID:dJeYp2NG0
「……はい!……私、本当に感動しちゃって……夢の中にいるみたいでした」
「そうだな……本来の、こういうエンターテイメントの役割っていうのはそこに尽きると思う。要は、どれだけ没入させられるか……他の事を忘れさせられるかってことだな」
63: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:41:08.78 ID:dJeYp2NG0
ほたるはひとつ溜息をついて、諦めたような笑みを浮かべて、言った。
「私には、とても手の届かない世界でした」
64: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:43:38.89 ID:dJeYp2NG0
「……本気で言ってるのか、ほたる」
「……」
65: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/25(月) 00:47:48.16 ID:dJeYp2NG0
「今までいたプロダクションでそんな風に植え付けられてきたのか?希望なんか口にするなって」
それもあるのだろう。
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