25: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 22:49:48.40 ID:3B1YHSO30
「アイドルじゃなくなった?解雇されたってことか?」
俺の言葉に少女はゆっくりと頷く。
26: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 22:52:59.46 ID:3B1YHSO30
「だから、その人は私なんかとは組みたくなかったらしくて……あっ、でもその人本当にすごいアイドルなんです。すごく可愛くて、お喋りも上手くて……本当に私なんかとは、正反対で……」
そこまで話して、再び少女の頬に涙が伝っていた。
27: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 22:56:03.89 ID:3B1YHSO30
「いつもそうなんです。事故とか、アクシデントが、私のせいでたくさん起きて……」
これは事故やアクシデントといった突発的なものではない。
28: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 23:00:59.74 ID:3B1YHSO30
「ダメじゃない」
えっ、という顔をする少女。
「ダメですよ……。私は人を不幸にしちゃうんです。呪われてるんです。そんな人は、アイドルにはなれないんです。きっと」
29: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 23:03:18.17 ID:3B1YHSO30
だが、財布を落とすのはただの本人の不注意だ。
そういう人間は普段から財布以外にも物を失くす。
30: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 23:06:13.75 ID:3B1YHSO30
「そんな……スカウトですか?私はもうアイドルにはなれません!私は疫病神なんです。関わったら、あなたも、あなたのプロダクションも不幸になるかもしれないんですよ」
―――――――――潰れたプロダクション、例のあの『疫病神』が所属していたらしいじゃないか
31: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 23:09:05.97 ID:3B1YHSO30
俺は、恵まれている。
32: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 23:12:04.24 ID:3B1YHSO30
「幸せになりたくない?」
「幸せに……。アイドルの、私に……」
33: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 23:14:17.34 ID:3B1YHSO30
彼女の経歴に同情したから?
彼女の容姿が優れていて、可能性を感じたから?
34: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 23:15:53.27 ID:3B1YHSO30
自分がプロデューサーになりたての頃には、よくそういう理由にならない理由で動いたような覚えがある。
そして痛い目に遭い、自制心を覚え、無くなっていった感覚だ。
これがどういう結果に転がるかはわからない。
35: ◆z4l4K/HkZ2[saga]
2017/12/24(日) 23:18:15.52 ID:3B1YHSO30
「何を考えているんだ君は!」
待っていたのは部長の叱責だった。
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