喜多見柚「アタシにとっての奇蹟」
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22: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:23:57.39 ID:WtWlSgcZ0


「柚は、もしアイドルになれたら、どんなお仕事がしたいんだ?」

「……正直に言うと、面倒くさいのはイヤかなーって。だから、アタシは難しくない仕事がいいなーっ」

「それで面白いコトだったらなお良し!」

「ほどほどに頑張ってー、ほどほどに楽しむ♪ これが柚ライフのモットーだよ」


 言ってからこれは怒られるかもって思った。でもアタシなりの歩き方なんだよ。フツウのアタシが真剣になったって何にもなれない。もがくのもしんどいから、理想と現実の間をふらふらっと歩くのがちょうどいいんだ。


「自分なりの精一杯を楽しんでやるってのは好きな考え方だよ、素敵だな」


 お兄サンは怒ったり、困ったりはしなかった。むしろ逃げみたいなこの考え方を褒めてもらえたような気がして、言ったアタシの方が戸惑ってしまう。そして、お兄サンはこう続けた。


「でも、怖いところに飛び込んでみて、それが面白いってことだって、きっとあるよ」


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