喜多見柚「アタシにとっての奇蹟」
1- 20
13: ◆tues0FtkhQ[saga]
2017/12/25(月) 18:09:06.84 ID:WtWlSgcZ0


「あの」


 お兄サンが声をかけてくる。やばいっ、怒られるかもと思って、ぎゅっと身体を縮めたけど、何も起きなかった。恐る恐るフードの影から見やると、お兄サンはポケットからすっと小さな紙を取り出して、こう言った。


「アイドル、やってみませんか?」


それは、おどろきとワクワクが詰まったびっくり箱のようで。アタシの時間を止める魔法の言葉だった。


「へ!?」


 アタシの時間が戻ってくる。お兄サンが何を言ったのか、まだよく分かってない。でも、差し出された名刺を見て、アイドルとかプロデューサーとか、そんな言葉が並んでいて、スカウトってやつなんだってところまではなんとか分かった。


 そんな人がこの世に実在するのかとか、いやいやいや、アタシはフツウの子だよとか一瞬でいろんなことを考えたような気がする。あまりにもアタシの思う現実からはかけ離れていて、上手く言葉が出ないまま、長いような短いような時間が過ぎる。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
45Res/39.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice