【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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67: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:34:27.70 ID:tCiOWLnR0
8 〜クリスマス当日〜

駅前から目抜き通りを進み、2つ目の狭い路地を左に進むと「シカゴ」という名の楽器店がある。切妻屋根の小さなその店はまるでそこだけ飛び出す絵本のようにビルが並ぶオフィス街の現実的な雰囲気には溶け込めずにいる。だがあたしたちは今回その路地を直進し、少し歩いたところにある街灯の下に陣取った。路上ライブをするためだ。だが――

翼「ねえねえ、ジュリアーノ、瑞希ちゃん。奈緒さんのラジオ聴いた?わたし、すっごく笑っちゃいました〜」

瑞希「ええ、あれは面白かったです。」

ジュリア「おい」

あたしは声を掛ける

瑞希「ああん、奈緒さんといえば、最近彼女にこんな手品を見せる機会がありました。伊吹さん、トランプをパラパラっとめくるので、一枚覚えてください。いいですか、行きますよ?」

カードが音を立てては残像を残していく。

翼「は〜い、覚えまし――」

瑞希「ダイヤの7ですね」

翼「ちょっと、瑞希さん!当たってますけど早いですよ〜。もっと焦らさないと盛り上がりませんって」

瑞希「そうですか。奈緒さんに見せた時も言われましたが、すっかり失念していました。」

ジュリア「おい」
あたしはまた声を掛ける。聞こえてんのか?

翼「でもすごいですね、どうやるんですか?」

瑞希「これは親近効果、つまり。最後に見たものが印象に残りやすいという心理作用を利用して――」

ジュリア「おい、あたしらはマジックショーをやりにきたのか?」

路上ライブの準備を進めるあたしを尻目に、歓談モードに入った2人に流石に危機感を感じたあたしは真面目に止めにかかる




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