【ミリマス群像劇】最上静香「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
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60: ◆17z5a1JMEs[saga]
2017/12/24(日) 03:30:36.43 ID:tCiOWLnR0

7 〜クリスマス当日〜

静香「まずは状況を整理しましょう」

自分も収録のために局へ来たというのに「何があったか話してみて」と優しく問いかける静香ちゃんに、堰を切ったかのように私は洗いざらい話していた。もしかして私はずっと誰かに聞いてほしかったのか、それとも静香ちゃんの包容力なのか。いや、どちらもだろう。

静香「まず、杏奈と共にスポーツバラエティへの出演はずっと前から行われていた。けど一週間前から杏奈が百合子と同じチームになった時に、別チームへ移りたいと願い出るようになった。そうよね?」

百合子「うん」

そうだ。だがその時は突然のことで悲しさよりも不可解さが勝っていた。どうしてだろうという気持ちが悲しいという感情に栓をしていたんだ。でも日が経ち杏奈ちゃんの行動に私が何か理屈を見出そうとしていくうちにその栓が緩まり、ついに今日決壊した。

静香「さらに実際の収録においては百合子と杏奈の対決が狙ったようにいつも起こった。」

百合子「うん、そうだったよ。確かに杏奈ちゃんとの対決は必ずあった。」

静香「最後に杏奈が別れ際に言った『杏奈が勝手に百合子さんも同じ思いで、同じ努力をしていて、それなら杏奈にも変えられると思っただけなの。』という言葉。この言葉をきっかけに百合子は自分の推測に違和感を持ったのよね?」

確かに違和感を持った。でもその正体は今でも分からない。

百合子「ううん。もしかして私の勘違いかもしれないよ。私が自分を守るためにそう思っただけかもしれないし。」

そうだ。そんなに都合のいいことなんてないよね。
もしかして胸から黒い靄が出ていて、その靄に勝手に都合のいい映像を映し出していただけなのかもしれない。




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