(デレマス百合SS)的場理沙「さよならツインテール」
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6: ◆4bW4Xvl41A[sage saga]
2017/12/23(土) 15:12:44.46 ID:vNplYLUU0

 アタシは逃げるようにレッスンに向かう。

 更衣室で鏡を見たとき、びっくりした。

 鏡に映った自分がひどい顔をしている……

 ねぇ、これがプロのアイドルの顔?

 ねぇ、こんなのがアタシの素顔?

 ねぇ、何で醜いの?

 声にならない言葉と、ぐちゃぐちゃに腐っている心が目の前の鏡に映っている気がする。

 鏡を見たくなくて、俯くと……隣の撮影ルームで仕事をしているのか、メイクさんたちの道具が置かれている。

 こんなものにも気付けないの……もっともっと嫌になっていく……

 化粧品、ブロー……それから……ハサミ

「ツインテールいいよね。梨沙ちゃんって感じがするよ」

 言われた言葉の一つがリフレインする。


 ねぇ、ツインテールじゃなきゃアタシじゃない?

 鏡の前の自分に問いかけた。

 じゃあ、この髪が無くなったらアタシじゃなくなるの?

 答えは返ってこない。

「梨沙ちゃんは変わらないね」

 頭の中でリフレインしたのは、聞きたくない声。


 アタシは、ツインテールのアタシしか認められていないの?

 そんな気持ちに、怒りが沸いてくる。


 ジャキッ

 掴んだツインテールの根元から決別の音が鳴る

 ジャキッジャキッジャキッ

 最初に掴んだ位置からだんだんと離れていく手が、アタシに何か訴えている。

 パサリとリボンごと床に落ちて、片方の荷物が無くなった。

 やっと何かに開放される気がして、涙が出てきた。

 もう片方も……

 ジャキッジャキッジャキッ……ガチャッ


「オイ、梨沙、まだ準備……って、オマエ! 何やってんだ!!」


 新しいアタシを最初に見つけたのは、拓海だった。



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