高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」
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85:名無しNIPPER[saga]
2018/01/05(金) 22:41:20.99 ID:BSpRr3gRo

千景「冗談はほどほどにするとして、あなたはそれで納得しているの?」

風「……正直なところ、気持ちは半々よ。実際に千景たちは先代勇者の姿を見てしまっているわけだし。でも、大赦は治るって答えてくれた。後は、どちらを信じるかの話よね」

千景(そう言って、風先輩は空を見上げる。昨日とは打って変わっての快晴だった)

風「──で、アタシは大赦を信じることにしたのよ。……両親が亡くなってから生活の面倒を見てくれたのは大赦だった。大赦がなければアタシも樹も路頭に迷っているところだったのよね……。千景たちの話も信じているけど、今その大赦を信じなければ、ここまでの全てが、アタシの中の前提が、きっと崩れてしまうと思うから──それは絶対に駄目なのよ」

千景(……この段階で彼女はある程度察していたと言うことね。けれど、風先輩の事情が自分自身に認めることを許してくれないのだろうと予想がついた)

千景「……あなたの結論に私が口出し出来ることはないわ。ただ一つだけ、いえ、二つ言葉をかけるとしたら──」

風「……何だかその言い回しも懐かしいわね。あんたと初めて話した時もそう言っていたことを覚えているわ」

千景(あれから一ヶ月。私は少々この世界に長居をし過ぎてしまったらしい。だから、こうしてらしくないことを行っている)

千景「一つは、あなたの信じる道を進みなさい、と言うこと」

風「……ありがと。千景にそう言ってもらえると心強いわ」

千景「例え、あなたが誤った道に進んだとしても、あなたの仲間が、勇者部の皆があなたを正してくれると思うわ」

風「……それも肝に銘じておく。当然、千景もアタシを正しい道に戻してくれるのでしょう?」

千景「……ノーコメントよ」

風「そこは『うん』とか『ええ』とか言っておきなさいよ! そう言う場面でしょ!?」

千景「そして、二つ目は──」

風「あ、無視して普通に続けるのね。あんたらしいと言えばらしいけど」



千景「──私の正体は未来からやって来た未来人よ。あなたが悩みに悩んだ時だけ、助言を与えてあげなくはないわ」



風「は……?」

風「──えぇっ!? あ、あんたいきなり何言ってんの!? ……その、頭大丈夫?」

千景「あなたに頭を心配をされる日が来るとはね。煉獄に落ちてしまえば良いのに!」

風「確かに今のはアタシが悪い部分もあったけど、流石にそう聞くしかないでしょ……」






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