71:名無しNIPPER[saga]
2017/12/31(日) 19:03:03.06 ID:Z+ozzRtCo
園子「……うん、謝罪の分まで私に出来ることをさせてもらうね」
千景「じゃあ、もう一度質問するわ。私が元の世界に戻るためにはどうすれば良いの?」
千景(先ほどの様子から全面的な協力は取り付けられたと見た。だから、腹芸なしで率直に訊ねる)
園子「……若葉様が辛うじて残していたのは手記の一部だけだから、大まかな答えになってしまうのことは最初に謝っておくね」
千景(頷く)
園子「千景ちゃんが元の世界に戻るためには……この世界の危機を解決すること。そうすれば役目を終えて勇者は元の場所に帰って行く、と記述されていたことは間違いないよ」
千景「……酷く曖昧ね」
千景(けれど、これでようやく目途はついた。要するに、ゆゆゆで言う十二話ラストを迎えろと言うことなんでしょう、乃木さん? ……私は垣間見た記憶でしか知らない人へと心の中で語りかけていた)
園子「もし、それ以上のことを知りたい場合は大赦の創設から現在まで、その実質的な権力を握ってきた一族にお願いするしかないんだよ」
千景「大赦のトップと言うこと?」
園子「そうでもあるし、そうでもないと言えるかな。……初代勇者を支え、大赦の基礎を築き、表舞台へ出てくることには消極的。それでも勇者の末裔である乃木家に並ぶ名家──」
千景「……腹に何かを抱えていそうな子だったけれど、後世に色々と影響を与えているようね。──初代巫女の子孫のことなのでしょう?」
園子「うん、それが上里家」
千景(上里ひなたの子孫ね……。やりづらい相手ではあることが予想されるけれど、それでも──)
千景「私がこれから行うことは明確になったようね」
園子「……残念ながら上里家に接触できても、簡単に代々伝わる手記を見せてもらうことは叶わないと思うかな」
千景「しかもどこの馬の骨とも言えない私では、ね。あなたでも難しいことなの?」
園子「私は大赦から敬われているようではあるけれど、実質的には軟禁に等しいからね。大赦も一枚岩でない以上、私から上里家に接触することはとても難しいんだ」
千景「それでも、この話をしているのだから、何らかの手段は用意しているのでしょう?」
園子「うん。……もう入ってきても良いよ」
千景「なっ……!」
銀「あ、あははは……。き、気まずいなぁ、もう!」
千景(……三ノ輪さんが、ばつの悪い顔をして病室へと入って来た──)
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