高嶋友奈「結城ちゃんは勇者である」
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22:名無しNIPPER[saga]
2017/12/22(金) 23:24:40.58 ID:tvEOU77ro

*???

友奈「……え……?」

友奈(今の今まで病室に確かに居たはずなのに……気が付くと私は、人の手が全く入っていない、見覚えのある鮮やかな植物の森の中に居た)

友奈(何が起こったのか一瞬分からなかったのだと思う。……だけど、須美ちゃんと園子ちゃんだけはそのままに、他の全てが変わってしまっていたのだから……これは、間違いなく──)

須美「樹海化……! よりにもよってこんな時に!?」

園子「……」

友奈(そう、須美ちゃんが言ってくれたようにこれはアニメで見たあの樹海化で間違いない。でも、テレビで見るのと実際に体験してみるのとでは全く違っていた。アニメではもう少し余裕があるように思っていたけど、本当はまばたきの間の時間で起こってしまうような現象だったんだ……。ここ数日で感覚が少し麻痺していたのか、私は妙に感心してしまっていた)

須美「え……。友奈さん!? ……そ、そんな! 友奈さんまで呼び出されたと言うの……!?」

友奈(私を見て、須美ちゃんがギョッとし、そのすぐ後に悔しそうな、悲しそうな、とても複雑な表情を浮かべていた。……誰だって、今の私を見てしまえば反応に困るのだから当たり前の話だよね……)

友奈(──私は、ベッドと一緒に、樹海へと来てしまっていた。……綺麗な植物の地面の上に、白いベッドが一つ。それは、とても違和感のある光景だったと思う)

友奈(そして、『参ったなぁ』とも思った)

須美「……くっ……! 友奈さんは、怪我で満足に動くこともできないのよ! 寝具ごと呼び出すなんて神樹様は何を考えて──!?」ハッ!

友奈(須美ちゃんの顔から色が失われてしまい、その視線の先を私も追っていく。……!? ……嘘、だよね……?)

友奈(そこに居たのは──)

友奈「銀、ちゃん……」

友奈(私と同じようにベッドの上で横たわり、だけど、私には付けられていない酸素マスクや、大掛かりな機械が今も繋がれて、いる……。……私から見ても明らかな重体にしか見えないのに、銀ちゃんは……銀ちゃんは……っ……こうして樹海の中に、呼び出されて、しまっていたんだ……)

友奈("あれ"と戦う、それだけのために──)

須美「バーテックス……!」ギリッ

友奈(……身体がまともに動かない私と、意識のない様子の銀ちゃん。そして、ゆっくり近づいて来ているバーテックス。唯一、須美ちゃんだけは戦えそうであったけど、私と銀ちゃんの存在が足かせになっているのか、さっきから私たちとバーテックスで視線を迷わせていた)

友奈(……)

友奈(……うん。多分、できるはずだ。……それに、勇者は根性だって結城ちゃんも言っていた! だから、覚悟を決めろ高嶋友奈! ここは私が頑張る場面だ!)

友奈("それ"を呼び出そうとした、まさにその直前。不意に静かだけどやけに乾いた声が……聞こえて、きた)



園子「……そっかぁ……やっぱり間違いなんて、何もなかったんだね……」…シュピーン



友奈「園子、ちゃん……?」

友奈(何故だか泣きそうな顔をした園子ちゃんが、勇者姿となって、ぼんやり気配を感じさせず私の隣に立っていた)






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