102:名無しNIPPER[saga]
2018/01/06(土) 21:02:11.33 ID:eJvlprTto
友奈(自分のことを思い出してしまえば、一緒に元の世界の記憶だって思い出せる。……根性でぐんちゃんとの記憶だけはまだ残してあった。だから私はまだまだ私で居ることができる)
友奈(ぐんちゃん……)
友奈(先ほどまでそこに居た人の温かさを思い出して、私は途端に泣きそうになるけど、今行わないといけないのはそれを思い返すことじゃない)
友奈(──私が園子ちゃんにしてしまった過ちは、もう二度繰り返してはいけない。あの時に私はそう心に誓ったんだ)
友奈(……私はしょくざいをどれだけできていたのだろう? 銀ちゃんに『鷲尾須美は勇者である』の本を届けて、園子ちゃんの言う通りに勇者部で自分らしさを貫いて……でも、それじゃあ全然足りない。小説の中で須美ちゃんに忘れられてしまった園子ちゃんに、"誰だっけ?"と私は聞いてしまった。どれだけ傷つけてしまったんだろう……。今だって須美ちゃんと銀ちゃんに忘れられてしまっているのに、私がしてしまったことは……)スクッ
友奈(立ち上がる。服が汗びっしょりで気持ち悪かったから着替える。気付けば、今はぐんちゃんさがさっきまで居た木曜の日じゃない。多分、一日か二日経ってしまっている。時間間隔さえ高嶋友奈は曖昧になってしまっていて、近いうちに私は本当の意味で結城ちゃんに成り果ててしまうのだろう)
友奈(結城ちゃんになってしまうことは正直に言うと怖いけれど、仕方がないことではあると思う。お義父さんとお義母さんもこんな身寄りのない私に優しくしてくれて大好きだから不安もない。だから、受け入れている。──でも、それは今じゃない。私は何も行うべきことを行っていない。全てはその後じゃないと駄目なんだ!)
113Res/169.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20