100:名無しNIPPER[saga]
2018/01/06(土) 20:55:46.91 ID:eJvlprTto
美森「多分、正面からこう言う風に言い合いをしたのは生まれて初めての経験だと思うわ」
千景「本当は幼少期に体験しておく事柄なのでしょうけれど、環境と性格によっては中々難しいのよね」
美森「まったくその通りだわ」
千景「……」
千景「……世界を終わらせるの?」
美森「……ええ、そうするしか皆を、友奈ちゃんを救う手立てはないから」
千景「延々と続く辛い延命治療よりは死による救いを、かしら?」
美森「……私だけなら我慢することは出来る。でも、友奈ちゃんが、大切な人が苦しむ姿は見たくないの」
千景「同意見ね」
美森「……」
美森「ねぇ、千景ちゃんの本当に大切な人の名前は何て言うの?」
千景「高嶋さん、高嶋友奈さん。容姿から性格まで何から何まで結城さんにそっくりな素敵な人よ」
美森「それは是非ともお会いしてみたいわね」
千景「あら? それは浮気かしら? 結城さんに告げ口するわよ?」
美森「千景ちゃんこそ現在進行形で浮気中でしょう?」
千景「私は結城さんにも真剣よ」
美森「浮気のよくある言い訳ね……と言いたいところだけれど、何となく気持ちが分かってしまう自分が憎いわ」
千景「本当に難儀な性分ね、私たち」
美森「ええ。でも、こんな自分と一生付き合っていかないといけないのよ」
千景「そうね、それが人生と呼ばれるものなのでしょうね。そして、あなたのその一生の最期を私が看取ってあげるわ」
美森「……本当に私を止めに来たわけではなかったのね」
千景「馬鹿な女の末路を笑いに来ただけよ」
美森「……」クスッ
美森「……うん。見てて、千景ちゃん。私の一世一代の大馬鹿を」
千景「見届けましょう。似た者同士のあなたが世界へと売るその大喧嘩を」
千景(東郷さんは銃を取り、私も勇者服姿となってその後を追う。目の前には神樹の作り上げた頑強な壁。そこへ彼女は標準を合わせ)
美森「──待っててね友奈ちゃん。今、救ってあげるから」
千景(そして、東郷さんは壁を破壊した。間もなく大量の星屑たちが箱庭世界に侵入してくる。──こうして『結城友奈は勇者である』の最終話は幕を上げた)
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