5: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/18(月) 23:29:27.81 ID:YUfqXVrMo
===
「でな」
「はい」
「さっきからちょこちょこ会話に挟んで来る、"恋人"っていうキーワード」
再び男の隣に座り込んだ、少女に向かって彼が言う。
「違うよね?」
「はい?」
「違うだろ?」
「なにがです?」
「だから、"恋人"っていうキーワードが――」
「……ああっ!」
ポンと、少女が理解したと言わんばかりのわざとらしい動作で手を叩き。
「やっぱりここは、"奥さん"の方がいいですかね!?」
「なんでだよっ! 違うだろ!? 俺とお前は知り合いだが、交際なんてしてないだろ!!」
「でもでもでも! 将来的にその可能性が全く無いっていうワケじゃ――」
「ないよ! ありえねぇよ! よしんばそうなったとしても、親戚一同猛反対っ!!」
「障害がある恋の方が、燃えるってことにはなりませんか!?」
「なーらーなーいーのーっ!! なるワケない! 相手が百合子、お前だぞ!?」
言って、彼はすぐさま後悔した。
少女の顔がくしゃくしゃと歪み、うるると涙に濡れるお目々。
ぐすぐす鼻をすすり出せば、彼女は両手を目元に持って行き。
18Res/15.88 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20