【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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90:名無しNIPPER[saga]
2018/01/07(日) 18:27:54.30 ID:ZtE3BbpK0

 眼下の川が、両側の並木道が、目の先に連なる住宅街が、すべてモノクロに沈む。世界から色が消え失せ、そして、青空に亀裂が走る。

「まずい……! 逃げるわよ!」

 めぐみが慌ててフレンとブレイを抱えて橋の上から逃げる。なんとか道路までたどり着いたとき、地面が大きく揺れて、めぐみは大きくころげてしゃがみこんだ。
「めぐみ!」

「大丈夫よ。大丈夫だから」

 フレンの声に、めぐみが笑って返答する。

「あ……あわわわわ……」

 ブレイが橋の方を見て目を剥いている。フレンがその先に目を向けると、今まさに、橋が動き出すところだった。

「……電柱のときも驚いたけれど、これは……すごいわね」

 それはもはや橋でありながら橋ではなかった。目前で分断された橋と道路のアスファルト。巨人が目覚めるかのように、橋が身をもたげたのである。あるはずのない腕、あるはずのない足、そして、あるはずのない悪辣なる瞳に闇を宿して、橋が川の上に立ち上がる。

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

「ふははははは!! 守るというのなら、このウバイトールを倒して見せるのだな! 伝説の戦士プリキュア!」

 ウバイトールとなった橋の上から、ゴーダーツが嘲弄する。

「……めぐみ、変身ニコ!」

「ええ!」

 フレンの言葉にめぐみが素早く立ち上がる。そして、薄いブルーのロイヤルブレスをかざした。それはモノクロに墜ちた世界で、燦然と輝くような色の腕輪だ。

「受け取るニコ、めぐみ! 優しさの紋章ニコ!」

 フレンの身体から青い閃光が飛ぶ。それはめぐみの空いた手の中で輝き、やがて形を成す。

 清浄なる、角を持つ白馬の紋章。

 優しさを象徴する神獣、ユニコーンの力。

「……行くわよ!」

 めぐみは優しさの紋章を握りしめ、流れるような仕草でロイヤルブレスに差し込んだ。

 そして、声高らかに叫ぶ。


「プリキュア・エンブレムロード!」



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