【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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65:名無しNIPPER[saga]
2017/12/31(日) 10:22:08.64 ID:0m/dVbvg0

 まるで、そこだけ別の時間が流れているような、不思議な感覚。

 明らかな異質が、異常が、目の前にあるのに、ゆうきもめぐみもそれに気づくことができない。まるで、当たり前のことのように、それを意識しない。意識することができない。目の前に、圧倒的な存在がいるということが分かるのに、身体がどこか、その存在を受け入れているようだった。

「これが我々だ。分かるか? 伝説の戦士」

 まるでふたりの心の中を読み取るように、紳士が口を開いた。

「!? あなたは、一体……!」

 紳士が、手をかざした。身構えるゆうきとめぐみの前で、仮面の紳士はあくまで泰然としていた。

「な……!」

 瞬間的に周りが消滅した。校舎も、木々も、草も、ベンチも、テーブルも、何もかも。残ったのは四人と紳士だけだ。

「案ずるな。ただ我々の存在する位相をずらしただけのことだ」

「位相……?」

「世界とは、貴様らが想像するほど複雑なものではない。単純な網かけの場に、垂直に物があるというだけのこと。その網をたわませて窪みを作り、その窪みに我々だけを降ろしたという
だけのことだ」

「網? 窪み? 降ろした?」

「……そんなことはどうでもいいわ。あなたは一体何者? もしかして、あなたもあの男と同じ、アンリミテッドなのかしら?」

 理解が追いつかないゆうきだが、めぐみは性急に話を進めようとしていた。

「…… “暗黒騎士デザイア” グリ」

「えっ……?」

 ふるえが収まったわけではない。ブレイは未だにゆうきの手の中で震えている。そんな彼が、絞り出すようにして声を発したのだ。

「僕たちの世界を飲み込んだアンリミテッド……その、最高指令官にして、最強の騎士、デザイア……それがあいつグリ」

「アンリミテッドの最高指令官……」

「最強の騎士、デザイア……」

 黒ずくめの仮面の騎士はまだ動かない。まるで、ふたりの様子を見て、品定めをしているかのようだった。

「ふむ。貴様らが、ゴーダーツが召喚したウバイトールを消滅させたのか。おもしろい。貴様らはどうやら、我々アンリミテッドの一番の障害となるようだ」



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