【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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627:名無しNIPPER[saga]
2018/06/24(日) 10:06:16.42 ID:sW82/1G70

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 HRが終わり、皆井先生は心の底まで落ち込んでいた。

「……生徒に沈んだ顔を見せてしまった」

 少なくとも皆井先生は、生徒に対して自分の個人的な事を押しつけるつもりはない。そんなことしたくもない。

 そして今まで、できるだけそういったことをしないようにしてきたつもりだ。

 だというのに、今日は生徒相手にひどく落ち込んだ様を見せてしまった。

 それは、学校の先生としてしてはならないことだと、皆井先生は考えている。

 その、してはならないこと、をしてしまったことが、皆井先生の心を強く苛んだ。

「まったく、不甲斐ない。私事と仕事をごっちゃにしてしまった」

 廊下をとぼとぼと歩くが、その姿を他の生徒に見られるのもいけないことだ。皆井先生は息を吐いて、背筋を伸ばす。

 自分にできることは、過ぎてしまったことを引きずらず、今をきちんとすることだけだ。

 とはいえ、だ。

「……はぁ。へこむものはへこむよなぁ」

「あら、何か悩み事ですか?」

「あ……ひなぎくさん」

 かけられた声は涼やかで、透き通っている。少し前まで誰もいないと思っていた廊下の先に、笑顔のひなぎくさんがたたずんでいた。簡素なエプロン姿だが、上品な気配は隠しきれていない。親しみやすいが、とてつもない美人だ。普段の皆井先生なら、ここでお世辞のひとつでも言ってその場を白けさせていただろうが、今はそんな気分にはならない。

「いや、ちょっと……。色々ありまして」

「身近な人には逆に話しづらいこと、ありますよね」

 ひなぎくさんは微笑んで、手招きした。

「購買でお茶でもいれますよ。私で良ければ、話してみませんか?」

「……じゃあ、少しだけ、お言葉に甘えます」

 せっかくの申し出だ。皆井先生はひなぎくさんに誘われるまま、彼女についていった。



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