【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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592:名無しNIPPER[saga]
2018/05/27(日) 10:09:05.93 ID:IIOvQ4Oi0

「……騎馬さん?」

「はっ……。す、すまない。大丈夫だ。私も決まった」

 バタンとメニューを閉じると、はじめはそう言った。ひかるは手を上げて、先ほどの店員さんを呼ぶ。

「お決まりですか?」

「はい。騎馬さんからどうぞ」

「あ、ああ……」

 はじめは逡巡するような目をした後、ひかるの目を見て、言った。

「……アイスティーをお願いします」

「はい。レモンかミルクはおつけしますか?」

「えっ、あ……け、結構です」

「ガムシロップはどうされますか?」

「……それも結構です」

 はじめの声のトーンはどんどん落ちていった。ひかるはその様子を冷めた目で見つめていた。はじめの注文を書き取り、店員さんの目がひかるを向く。

 仕方がない。

 ひかるはそんな心境で、はじめの手元からメニューを取り、開く。

「……このラテアート、お願いします」

「はい、かしこまりました。何をお描きしましょうか?」

 ひかるは少し考えてから、はじめを見て、言った。

「お任せします。女の子が喜びそうな、かわいいのでお願いします」

「かしこまりました。アイスティーおひとつと、ラテおひとつですね。少々お待ちください」

 店員さんはそう言うと、足早にカウンターに回った。他に店員の姿は見当たらない。ひとりでこのお店を回しているのだとしたら、相当な労力だろう。

「……では、改めて」

 はじめが言った。ひかるが目を向けると、はじめは真剣な顔をしていた。

「昨日は傘を貸していただいて、本当にありがとうございました。おかげで、あの後は濡れずに家に帰ることができました」

「……そんな、改まってお礼を言われるようなことではないと思いますけど。どういたしまして」

 深々と頭を下げるはじめに、ひかるは呆れかえるような気分だった。

 騎馬はじめという目の前のお姉さんは、義理堅いというか、融通が利かないというか、とにかくそういう難儀な性格なのだろう。



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