【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
1- 20
562:名無しNIPPER[saga]
2018/05/13(日) 21:59:28.24 ID:sptbJ6v70

…………………………

「プリキュア。今日こそ君たちを倒す。そのための算段はもうついている」

 ダッシューは何かを掲げる。廊下から中庭のダッシューまで距離がある。しかし、あきらにはそれがなんだかわかった。今朝、見たばかりだったからだ。

「あ、あれ……! 蘭童さんのはさみだよ!」

「なんですって?」

 ユニコが歯がみする。

「……ってことは、ダッシューのやつ、蘭童さんからはさみを奪い取ったのね」

「許せないよ! いこう、ユニコ!」

「ええ!」

 グリフとユニコは、窓から中庭へ降りる。その瞬間、ダッシューが大空に向け叫んだ。

「出でよ、ウバイトール!」

 モノクロの空が割れる。その裂け目の中から現れた黒々とした何かが、ダッシューの掲げるはさみにまとわりつき、取り付く。

 そして、闇の怪物が誕生する。

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

「っ……! 蘭童さんのはさみを!」

「気をつけなよ、プリキュア」

 ダッシューが笑う。

「このはさみに込められた欲望は並大抵のものではない」



 ――――『まぁ、たしかに色々なことを、ぼくと一緒に経験したはさみではあるね』



「っ……」

 あきらは思い出す。蘭童さんのさみしそうな笑みを。

 そのはさみに込められた、きっと大切であろう想いを、欲望の怪物に変えられているのだ。

「ふたりの友達が戦っているのに、わたしは見ていることしかできない」

「あきら……」

「それだけじゃない。色々なことを教えてくれる、お世話になっている人の大切なものが奪われたっていうのに、わたしは何もできない……」





「――――そうだな。貴様にはそうやって、何もできないと嘆いている姿がお似合いだ」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
647Res/1111.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice