【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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548:名無しNIPPER[saga]
2018/05/13(日) 21:52:39.22 ID:sptbJ6v70

「わひゃっ!?」

 変な声が洩れた。危うく尻餅をつきそうになって、いくらなんでもそれは格好悪すぎるから耐えた。今まさにくぐり抜けようとした場所から、ふたつの顔が覗いている。

「ゆ、ゆうき!? めぐみ!?」

「あーきーらー、わたしの誘いを断って何をしてるのかと思えば、イケメンさんとデートだったんだねー!」

 ゆうきが言う。

「そういうことなら教えてよー! 親友でしょー! 幼なじみでしょー!」

 植樹をくぐってスペースの中に入ってきたゆうきは、がくがくとあきらの肩を揺する。あきらは思考が追いつかず、されるがままになってしまう。

「ど、どうしてここにいるの?」

「ごめんなさい。私は止めたのだけど、ゆうきがあなたのことが心配だからって、後をつけたのよ」

 遅れて植樹をくぐってめぐみが中に入る。

「あ、ずるい! めぐみ、わたしのせいにしようとしてる!」

「しようとしてるもなにも、言い出したのはあなたでしょ」

「でもめぐみだってついてきてくれたでしょー」

「それはだって、私もあきらのことが心配だったから……」

 ふたりがわーわーと言い合いを始める。それを聞いてあきらも合点がいく。つまり、あきらの親友二人は、あきらのことを心配して、あきらの後をつけたのだろう。そして、今の今までここで行われていたマンツーマンのレッスンを、デートと勘違いしたのだろう。

「……ってデート!?」

 あきらがむせそうになりながら言った。

「デートじゃないよ! っていうかイケメンさんとデートって何!?」

「えっ? だって主事の蘭童さんと楽しそうにお喋りしてたじゃん」

「お喋りしてたらデートなの!?」

「放課後の密会かと……」

「めぐみまでゆうきの天然が移ったの!?」

 そんなふたりにどう説明したものかと、あきらは植樹の梢から見え隠れする空を仰ぎ、ため息をつくのだった。



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