【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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54:名無しNIPPER[saga]
2017/12/31(日) 10:11:04.54 ID:0m/dVbvg0

「どうかしたの? 大埜さん」

「早く学校に戻らないと! 先生に頼まれてた仕事、まだ途中だもの!」

「あっ……」

「あ……」

 少しだけ、現実に帰った気がした。

 思い起こされるほんの少し前のこと。めぐみの照れ隠しがゆうきを傷つけ、ゆうきが逃げてしまったときのこと。

 気まずくなって、無言で見つめ合う。けれど、あとは簡単だった。

「……改めて、さっきはごめんなさい」

「ううん。こちらこそごめんね」

 だって、もうすでに、めぐみは気持ちを伝えられたから。ゆうきはそれを受け取ったから。

 想いが通じて、気持ちが分かって、もう怖くないから。

「えっと、王野さん。家の用事があるって聞いたから、あとの仕事は私がやっておくわ。だから、今日は帰って」

「……じゃあ、お言葉に甘えて、そうさせてもらうね。ありがとう、大埜さん!」

「ううん」

 人に気持ちを伝えるのはとても難しくて、すれ違ってしまうこともままある。

 けれど、お互いが優しさを伝えようとして、お互いが勇気を持ってそれに応えたなら、

「えへへ」

「ふふ……」

 きっと、一緒に笑い合うことができるから。



 光の世界、ロイヤリティの伝説が復活した。

 笑い合う少女たちの双肩に、全世界の命運がゆだねられた、その瞬間のことだった。



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