【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
1- 20
536:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:46:48.88 ID:7mW+iPec0

…………………………

 目覚めた瞬間、身体に痛みがないことに驚いた。自分自身で、炎に巻かれたところまでは覚えていた。その炎の痛みと熱で意識を失ったからこそ、意識が戻った瞬間、痛みを覚悟していたのだ。

「……ゆ、ゆうき!? めぐみ!?」

 そして、すぐそばで、ふたりの親友が倒れている姿を見て、利発なあきらはすべてを理解した。

 自分の炎が、ふたりを傷つけたのだ。

「そ、そんな……。ゆうき、めぐみ……!」

「はははは。情熱の戦士は、その炎によってすべてを燃やし尽くしてしまうのさ」

 返事はない。代わりに応えたのは、すぐ傍でそれを嗜虐的に見つめるダッシューだ。

「あのウバイトールをもってしても、プリキュアは倒せなかったか。まぁいい。面白いものが見られたから満足だ」

「おもしろくなんかない!」

 あきらがダッシューを睨み付ける。しかし、ダッシューは涼しい顔だ。

「そうだねぇ。君は面白くないだろうねぇ。なんてったって、君自身の力が、君のお友達を傷つけたんだから」

「っ……!」

 あきらは何も言い返すことができなかった。

「ぼくは失礼するよ。それじゃ、また会おう。伝説の戦士プリキュア」

 嘲弄するような言葉を残し、ダッシューは空に溶けて消えた。

「……ゆうき。めぐみ……」

 残されたあきらは、ただ力なく、ふたりの友達の名を、呼び続けることしかできなかった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
647Res/1111.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice