【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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534:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:45:42.73 ID:7mW+iPec0

…………………………

 炎が吹き荒れた。それは剣道場内を席巻し、制圧するような勢いだった。その炎を生み出す戦士が、跳んだ。炎が、まるで戦士に付き従うように追随する。

(大丈夫。やれる……!)

 キュアドラゴは精神を統一し、心を平静に保とうと意識し続けた。感情に任せて炎を振るうのが危険だというのなら、ドラゴが気をつければ問題ないはずだ。

「グリフ! ユニコ!」

 ドラゴは叫び、拳から炎を放つ。その炎はウバイトールに命中し、燃え移る。

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

 しかしその黒い闘気により炎が消し飛ぶ。ウバイトールはドラゴと向き合い、その竹刀を構える。

「ドラゴ!?」

 グリフが叫ぶ。

「どうして変身したの!? キュアドラゴの力は、あなたを傷つけるんだよ!?」

「ふたりが戦ってるのを黙って見てるなんてできないよ!」

 ドラゴは叫び、両手に炎を纏わせる。

「大丈夫だよ。わたし、今なら“燃え上がる情熱の光”を使いこなせる気がするんだ」

 ドラゴは跳び、一気にウバイトールとの距離を詰める。

『ウバッ……!』

「ハァアアアア!!」

 拳をウバイトールにたたき込むも、竹刀で防がれる。しかしドラゴは、攻撃の手を緩めなかった。そのままウバイトールを押し込むように両拳でウバイトールを攻め立てる。

『ウバッ……!』

「なっ……!?」

 しかし、ウバイトールも強敵だった。何度目かのドラゴの拳を竹刀で完全に止めると、そのまま身体ごと前に出る。ドラゴは完全にウバイトールに押し負けて、距離を離される。その瞬間、ウバイトールは上段から竹刀を振り下ろした。

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

「……っ、この、程度で!」

 ドラゴを倒したと思ったのだろう。ウバイトールが歓喜の声を上げる。しかし、ドラゴはその攻撃を寸前で回避していた。床にめり込んだ竹刀に飛び乗り、そのまま小手を駆け上がる。

『ウバッ……!?』

「わたしの炎を喰らいなさい!」

 平静な心を保つことなど不可能だった。ドラゴは心を燃え上がらせ、爆炎とも呼べる炎を両拳に纏わせる。

 ドラゴはそのまま、面の内側に拳を叩き込み、“燃え上がる情熱の炎”を最大出力で放った。

『ウバァアアアアアアアアア!?』

 面の内側で弾けた炎に、さしもの強大なウバイトールも竹刀を取り落とした。

「今だよ、グリフ、ユニコ!」

 ウバイトールから飛び退いて、ドラゴが叫ぶ。ふたりの仲間たちは、そのドラゴの声に応えるように、すでにロイヤリティの光を身体に纏っていた。

「翼持つ獅子よ!」

「角ある駿馬よ!」

 よかった、と。これで大丈夫だ、と。そう安堵した瞬間のことだった。

「「プリキュア・ロイヤルストレート!!」

 光の奔流が吹き荒れると同時、ドラゴの身体から小さな炎が爆ぜた。炎を出そうとして出したわけではなかった。

(な、何……? “燃え上がる情熱の光”が、勝手に……!)

 炎が瞬く間にドラゴを覆い尽くした。その瞬間、凄まじい痛みと熱がドラゴの感覚を覆い尽くした。



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