【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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532:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 17:43:35.26 ID:7mW+iPec0

…………………………

 グリフはウバイトールに真っ向から立ち向かった。正面から振り下ろされた竹刀を捌き、ウバイトールの小手に飛び乗って、そのまま面に向かい渾身の拳を放った。

「なっ……!?」

 たしかな手応えがあった。ウバイトールを吹き飛ばし、壁に叩きつけるところまで明確に想像ができた。しかし、ウバイトールは揺るがなかった。面の奥の悪辣な瞳を歪め、嘲弄するように笑ったのだ。

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

「……!?」

 直後、ウバイトールは高速で反転すると、横薙ぎの一振りをグリフに浴びせた。それはまるでバットのスイングのように、グリフを芯で捉えていた。グリフは予期せぬ反撃に受け身もままならないまま壁に叩きつけられ、床に落ちた。

「グリフ!」

 ユニコの声が聞こえるが、すぐには立ち上がることができない。ウバイトールはすり足による高速移動で、すぐにグリフに近づき、竹刀を振り下ろした。

「優しさの力よ、この手に集え! カルテナ・ユニコーン!」

 空色の清浄な光が場を制圧した。倒れるグリフの目の前に、キュアユニコが躍り出たのだ。その手に握られるカルテナは、途方もない量の“守り抜く優しさの光”を放出し、その壁でウバイトールの竹刀を防ぐ。しかし、そのウバイトールから、黒い欲望にまみれた闘気が放たれる。その闘気が強くなればなるほど、ユニコのカルテナが押し込まれていく。

「っ……なんて強いウバイトールなの……!?」

 ユニコがうめき声をあげたその瞬間だった。“守り抜く優しさの光”の壁が、竹刀に押し破られた。グリフはその直前になんとか立ち上がり、ユニコを抱えて跳んだ。

「助かったわ。ありがとう、グリフ」

「ううん。こちらこそ、守ってくれてありがとう――……!?」

 予想もしないような動きで、ウバイトールが竹刀を振り上げた。空気を切り裂き、唸りをあげる竹刀が、ふたりのプリキュアを直撃する。轟音が鳴り響き、吹き飛ばされる。

(力だけじゃない……! 速さもすごいんだ)

 グリフとユニコは空中で反転し、着地する。竹刀の振り下ろしではないからだろう。幸いにしてダメージは少ないが、目の前のウバイトールのあまりの強さに、グリフは戦慄する思いだった。

「ロイヤルストレートを放つ隙さえあれば……」

「そうね……」

 ウバイトールはすぐさまふたりに近づき、竹刀を振る。ふたりのプリキュアはそれを避けるだけで精一杯だ。

(どうにか、活路を見いださないと……!)



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