【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/04/29(日) 17:39:43.37 ID:7mW+iPec0
「どうかしたの?」
『あっ、いや……』
電話の向こうで、はじめが誰かと話す声が聞こえる。遠くて聞き取ることはできないが、彼女はなんとか聞き取ろうと耳を澄ましたが、結果は変わらなかった。
『……ごめん、鈴蘭。もう切らなきゃだ』
「えっ……」
やがて声が戻ると、はじめはそう言った。
『そろそろ寝る時間だしね。じゃあ、おやすみ』
「え、ええ。おやすみ」
『また明日』
そして、はじめは電話を切ったようだった。
「……何よ、あいつ。自分から話したいとか言ってきたくせに、自分から切っちゃうんじゃない。勝手な奴」
ぼやきが勝手に口をつく。もっと話をしていたかったなんて、口が裂けても言えないけれど、そのぼやきは、暗にそう言っているようなものだった。
「……へぇえ」
「っ!?」
彼女が受話器を置くと、すぐそばでそんな楽しそうな声が聞こえた。
「鈴蘭ちゃん、随分と仲良しなお友達ができたのね」
「ず、ずっとそこにいたの!?」
ひなぎくさんだ。ニヤニヤと物珍しげに彼女を見つめている。
「いたよ。鈴蘭ちゃんが、楽しそうにお喋りするの、ずっと聞いてたよ。はじめちゃんだっけ?」
「っ……べ、べつに楽しくなんかなかったし!」
「通話を終えるときもなんか名残惜しそうだったね」
「そんなことないです!!」
まったく失礼な家主である。彼女はそのままずんずんと自分の部屋に行き、戸を閉じる。
「……誰が、楽しそう、よ」
胸がドキドキする。
まるで、友達からの電話を喜ぶみたいに、心が跳ねているのだ。
「こんなの、あたしじゃない。これは、本当のあたしじゃない……」
彼女はその感情の正体を知らない。彼女は、その感情をはるか昔に失ってしまったからだ。
ふと、気がかりなことが頭に浮かぶ。
「はじめ、一体どうして、いきなり電話を切らなきゃだなんて言ったのかしら……?」
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