【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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427:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 10:14:16.88 ID:TVNRAefO0

 ダッシューが怪訝な顔をする。パーシーがあきらに目を向ける。

「あ、きら……。ありがとう、ドラ。パーシーを守ってくれて、嬉しかったドラ」

 パーシーが弱々しい言葉を紡ぐ。

「あきらと出会えて良かったドラ。あきらに言われたことが、心に響いたドラ。あきらのおかげで、パーシーは自分の気持ちを、伝えることができたドラ。だから……――」



「――だからも、何も、ないよ!」



「ドラ……?」

 あきらは言った。

「パーシーは、わたしが落ち込んだり、悲しんだり、辛かったりするとき、ぎゅって、優しく頭を抱きしめてくれたよね。パーシーは、ゆうきのことで落ち込んだわたしを、何度も慰めてくれたよね。わたし、それが、とっても嬉しかったんだよ」

「あきら……」

「パーシーは、わたしにとって、とても大切な友達なんだよ」

 伝えたい言葉がある。

 あんなに、言葉にすることが難しかったことが、今はするすると頭から口へ流れていく。心の声が、具現化する。それは、あきらの心の発露に他ならなかった。

「わたしは、パーシーを助けたい。パーシーの力になりたいの!」

「……くだらない」

 ダッシューがはさみをあきらに向ける。巨大なはさみは、ギラリと凶悪にきらめく。

「邪魔だ。失せろ」

「……ねぇ、ダッシューさん」

 怖くても、立ち向かうと決めた。

 何の力がなくても、パーシーを助けると決めた。

 だから、あきらは、

「パーシーを返して……!」

「……そのお願いを、どうしてぼくが聞くと思う!」

 ダッシューが怒りをあらわにする。

「ぼくはアンリミテッドの戦士だ! 君たち希望の世界の人間が、ぼくに敵うはずがない! どうしてあきらめない!? どうしてぼくを、こんなにもイライラさせるんだ!」

「!? ど、ドラ! やめるドラ!」

 ダッシューがはさみを振りかぶる。間違いなく、その凶悪な刃をあきらに向けて投擲するつもりだろう。パーシーはそれを止めようと、ダッシューの手の中で暴れる。

「ッ……情熱の国の王女! あなたに情熱などはない! 情熱の国は、情熱をなくし無気力になっていた! あなたたち王族は、その最たる例だったはずだ! なのに、どうして……!」

「ドラ! パーシーは、たしかに無気力だったドラ! それでも! 大切な友達が傷つけられようとしているときに、黙って見ているなんて、できない、ドラ!」

 パーシーはそして、言った。

「パーシーは、あきらのことが大好きだから!」



 瞬間、光が爆ぜた。



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