【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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426:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 10:13:42.32 ID:TVNRAefO0

…………………………

 ああ、目の前で、友達がさらわれてしまう。

「っ……」

 怖い。

 怖い。

 怖い。

 あきらは、目の前の男が、怖くて仕方がない。

 人に、なんのためらいもなくはさみを向けることができる彼が。

 はるかに年下であろうあきらを、突き飛ばせる彼が。

 怖い。

 怖くて仕方がない。



「それ、でも……!」



 あきらは、立ち上がった。

 身体中が痛い。暴力を振るわれた経験なんてない。心臓が嫌な音を立てている。

 ストレスで頭も痛い。きっと、胃も痛くなる。



「それでも!」



「……おや」

 パーシーを掴んだままのダッシューが、立ち上がったあきらに目を向ける。

「怖いだろうに。無理をする必要はないよ。君はある意味でぼくに勝ったんだ。君のような弱い存在に暴力なんて振るうつもりはなかったけれど、それをしなければ君から王女様を奪い取ることはできなかった。君はすごいよ。上出来だ。素晴らしい」

 その称賛の言葉にはしかし、馬鹿にするような響きしか含まれていなかった。

「さ、疾くお引き取りを、お嬢さん。もう君の出番は終わったんだ」

「……終わってなんか、ないよ」

「……?」



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