【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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388:名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:13:04.24 ID:uBlGke+q0

…………………………

「……ふぅ」

 めぐみとゆうきと別れて、はじめは教室に戻る廊下の途中、周囲に誰もいないことを確かめてから、そっと息をついた。

「どうもあのふたりと一緒だと、ついつい甘えてしまうな……」

 家でも、学校でも、あんな自分を出したことがあっただろうか。少なくとも、中学生になってから、嬉しい気持ちをあんなに子どもっぽく発露したことはなかったように思う。

「私は騎馬家の跡取りなのだから、もっとしっかりしなければ……」

 それがはじめの矜持だから、はじめは気持ちをきゅっと引き締める。

 引き締めた、つもりなのだけれど。



「……おめでと」



 それは、教室に向かう廊下の途中でかけられた言葉だった。

「あ……鈴蘭」

「っ……」

 カバンを持ち、帰る途中だったのだろう。廊下の隅に立っていた鈴蘭は、恥ずかしそうに、悔しそうに、目を伏せた。

「……べつに、あんたにこれを言うために待ってたわけじゃないから」

「えっ、あっ……えーっと」

 はじめは、鈴蘭にかけられた言葉の意味を反すうする。

「……私に、おめでとうを言うために、待っててくれたのかい?」

「!? だ、だからそうじゃないって今言ったでしょ!?」

「あ、そ、そっか……」

 ゆっくりと浸透していくように、はじめの心の中に、鈴蘭の言葉の意味が入っていく。

「……ありがとう、鈴蘭」

「ふん。べつに、こういう社交辞令も必要だって、勉強しただけよ」

「それでも嬉しいよ」



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