【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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377:名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:07:45.07 ID:uBlGke+q0

「でも、悔しいよぅ……。わたし、めぐみに生徒会長になってほしかったよぅ」

「……そうね。私も、とっても悔しいわ」

 悔しい。勝ちたかった。それは、きっと負の感情ではないと、めぐみには思えた。

「……ゆうき、でもね、私、本当に嬉しいの。私がこんなことをするなんて、全然思ってなかったから。だから、ありがとう。ゆうきがいてくれたから、私はここまで、がんばれたわ」

「わたしは何もしてないよ。ほんの少し、手伝っただけだよ」

「そんなことないわ。負けちゃったけれど、ゆうきのおかげでここまでがんばれたんだもの。すごいことよ」




「負けたら、何の意味もないと思うけどね」




 世界が闇に染まる。開けた体育館に、その声は響き渡った。

「一度負けたら、負けを知ってしまう。敵愾心が小さいから、『負けたけどよかった』なんて言葉が言えるんだ」

「ダッシュー!」

 舞台の上、壇上に立つ人影は、まぎれもなくアンリミテッドの闇の戦士、ダッシューだ。

「敗北して、それでもなおヘラヘラと笑っていられる君たちに、本当の敗北を教えてあげよう」

 ダッシューは壇上のマイクを手に取り、眺める。

「良い欲望の品だ。この学校で、様々な人間の想いの丈を受け続けてきたのだろう。これは、良いウバイトールの素材になる」

 それは、ゆうきが、ユキナが、有紗が、めぐみのために演説をしたマイク。めぐみが、めぐみとめぐみを応援してくれる皆から力をもらって演説をしたマイクだ。

「やめなさい! ダッシュー!」

「やめないよ。それはぼくの欲望ではないからね」

 ダッシューは虚空に向けて叫ぶ。

「出でよ! ウバイトール!」

 世界が割れる。宙空に現われた世界の裂け目から、黒々としたヘドロのような何かが落ちる。それはダッシューの持つマイクをその身体に取り込むと、世界を黒々と染め上げながら、その姿を変貌させる。

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

 巨大化したマイクのウバイトールだ。轟音を立てて体育館に降り立った怪物は、大声を上げゆうきとめぐみを威嚇する。



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