【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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376:名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:07:13.49 ID:uBlGke+q0

…………………………

「めぐみ」

 結果の放送がされた後のことはあまり覚えていない。

 めぐみは、気づけば人気のない体育館にいて、後から声をかけられていた。

 振り返ると、そこに立っていたのは、ゆうきだ。

「……負けちゃったわね」

 微笑みながらそう声をかける。それが、精一杯のめぐみの強がりだ。

「負けちゃったけど、がんばったニコ」

「そうグリ。めぐみもゆうきも、がんばったグリ」

 ヒョコッと、ゆうきの肩からフレンとブレイが顔を覗かせる。

「ふたりの言うとおりだよ。めぐみもわたしも、ユキナも有紗もがんばったよ」

 ゆうきも微笑む。けれど、その笑顔はすぐに、くしゃっと歪んでしまう。

「あ、あれ……。おかしいな……」

 ゆうきも戸惑っているようだった。必死で笑顔を作ろうとしているけれど、それは長続きしなかった。ゆうきの両目から、涙が溢れだした。

「めぐみぃ……」

「……まったくもう。あなたが泣いてどうするのよ」

 そっとゆうきに近づいて、ぎゅっと抱きしめる。ゆうきの嗚咽が響く。

「負けちゃったよぅ……」

「そうね。負けちゃったわね」

「めぐみぃ、でも、わたしたちがんばったよ……」

「そうね。がんばったわね」

 そう。自分たちは精一杯がんばった。学級委員の仕事をしながら、プリキュアをしながら、それでも、精一杯がんばった。みんなと一緒に、がんばったのだ。

「……そう。私たちは、がんばったのよ」

 ツーと、めぐみの頬を、涙が伝った。ゆうきの涙が呼び水になったようだった。めぐみの視界が歪み、涙がどんどんあふれ出した。それは、めぐみの奥底にしまわれた、悲しみの発露だ。



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